最近、気づいたのだが私は首都圏から外に国内出張に行ったことがない。いや、正確には一度社内のシンポジウムで札幌に行ったことがあるが、スーツも着てないし出張という感じはなかった。なので微妙に国内出張にあこがれていたわけだが、先日ついに夢がかない名古屋出張に行ってきた。
当日は午後からのミーティングなので朝ののぞみで名古屋に向かう。ノートパソコンを広げてミーティングの準備などして、いかにもサラリーマン的な感じをかみ締める。うーん、満足。
名古屋で沖縄旅行でお世話になっているR氏と合流して昼食。地下街でR氏おすすめの「山本屋本店」で名古屋コーチン入り味噌煮込みうどんを食べる。この店、かなりの行列だったが待ち時間はさほどでもなく味噌煮込みうどんもとてもおいしかった。地元の名品を食べてさらに出張感アップ!
さて予定通り夕方にミーティングも終わり帰路に着くわけだが、お約束通り帰りの新幹線で食べる弁当とお土産を買い込む。名古屋駅のデパ地下でこれまたR氏おすすめの天むすの店に並んでいたが、私たちの直前で売り切れ。代わりに名物のわさびいなりを買う。お土産はうかれて買いすぎた。買ったのは、えびせんべいのゆかり、奈良漬に似ている森口漬、ランチで感動したインスタント味噌煮込みうどん、真空パックの手羽先、友達に頼まれたしゃちほこキティーストラップというラインナップで日帰り出張とは思えない量。
帰りの新幹線では、弁当を食べながらお約束のビールを飲みこの典型的な出張をしめくくる。もちろん出張は楽しいことばかりではないことは重々承知だが、やはり初めての出張は新鮮だったし、ささやかな夢もかない大満足でした。
もう2週間ぐらい前になるが、リアプロを買ったのでさらに調子に乗ってハードディスクレコーダーも新調した。今度のレコーダーは地上デジタル、BSデジタル、110度CS、地上アナログの4種類の放送を見たり録ったりできるので、前から見ていたBSデジタルに加えてこれにより地上デジタルと110度CSも見えるようになった。シングル・チューナーは嫌なので、キーワードによる自動録画機能は泣く泣く我慢して日立のWoooの500Gバイトのものをチョイス。現在、デジタルのダブルチューナー搭載機は日立とシャープのみで、残念ながらいずれもキーワードによる自動録画機能はない。ちなみにダブルチューナーだと2番組同時に録画しながらさらに別の番組を再生できる。ああ、なんてステキなんでしょう。
前から気になっていた地上デジタルはやはり綺麗だった。ちなみに今のマンションはiTSCOMが入っているので契約しなくてもパススルー方式で地上デジタルが配信されている。放送内容は各局とも地上アナログと同じようでハイビジョン化されているのは主にバラエティとドラマでニュースやスポーツはまだの場合が多い。
レコーダーのマニュアルをみたら興味深い機能を見つけた。それは「とばし観」という機能だが、マニュアルには「再生中、本編以外のシーンだけをとばして観ることができます。」とある。ここでいう「本編以外のシーン」はもちろんCMのことだろう。設定しておくと自動的にスキップしてくれるのでユーザーは実際には民法でもNHKと同じようになる。ただ、バラエティーの場合CMが長くなっても「続きはCMのあと!」みたいなあおりがあるので厳密には違うが。CMが個別のストリームなっていることを利用しているようだ。以前、「テレビCMの広告モデルは大丈夫なのか?」に書いたが、やはりテレビCMのビジネスモデルにとっては大変な時代のようだ。
梅田さんの「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる」売れてるようだ。また私が見ている有名どころのブログではほぼすべてのブログで書評が書かれておりいろいろなニュースサイトでインタビューが掲載されている。本の発売は梅田さんのブログMy Life Between Silicon Valley and Japanで知っていたので、私は発売日に本屋でゲット。もちろん初版。
梅田さんを始めて知ったきっかけもブログだった。友達のブログで「電車男」が紹介されていて、その「電車男」を紹介するリンクが当時梅田さんがCNET Japanで連載していたブログ英語で読むITトレンドの「電車男」に見る2ch文学の可能性というエントリーだったからである。ここで梅田さんの「電車男」に対する分析は以下の通りで、まったく恐れ入る。
結論。鈴木さんの言う「「青い鳥」と「電車男」にみる2ch文学の可能性について」の「青い鳥」については知らないが、「電車男」は立派な「2ch文学の誕生」である、と僕は思った。まぁ「文学」などというと、専門家の方から異論が出るかもしれないので、「新種のエンターテイメント」と言い換えてもよいが、これは間違いなくテレビドラマの原作にはなるのではないか。僕たち夫婦の今週の会話における「電車男」シェアは凄いものがある。2人で、暇さえあれば「電車男」の話をしている。
このいい意味で大人らしくない分析をきっかけに梅田さんに興味を持ち梅田さんのブログを読み始め、去年はとうとう平日の夜に都内まで梅田さんのセミナーを聞きにいったりもした。この「電車男」に関するエントリーが書かれたのが2004年6月だからまだ2年も経っていないが、今までに梅田さんにはブログを通してずいぶんといろいろなことを教えてもらったと思う。この本の中で将棋の羽生善治さんの発言を受けて次のように述べている。
「ITとネットの進化によって将棋の世界に起きた最大の変化は、将棋が強くなるための高速道路が一気に敷かれたということです。でも高速道路を走りぬけた先では大渋滞がおきています」
あるとき、羽生さんは簡潔にこう言った。聞いた瞬間、含蓄のある深い言葉だと思った。(中略)
これでもかこれでもかと厖大な情報が日々ネット上に追加され、グーグルをはじめとする恐ろしいほどに洗練された新しい道具が、片っ端からその情報を整理していく。いったん誰かによって言語化されてしまった内容は、ネットを介して皆と共有される。よって後から来る世代がある分野を極めたいという意思さえ持てば、あたかも高速道路を疾走するかのように過去の叡智を吸収することができるようになった。これが「高速道路の整備」の意味である。
これを読んで私が深く思うのは、梅田さんは「シリコンバレーで何がおこっているか、そしてこの先どうなるのか?」という分野の強力な高速道路を作り、さらに車線を増やし、伸ばしているということだ。そしてオープンソースと同じで「おもしろそう!」と思った別の人がどんどん集まってきてブログで意見交換しながらこの高速道路建設にどんどん参加してきてどんどん大きくなってきている。この様子を見ていると、いわゆる「あちら側」の分野で取り残されぎみな日本でも、なんだか面白いことが起こりそうな気がしてきてわくわくしてくるから不思議なものである。
ともあれこの本、とても読みやすいので、「グーグルって何で儲けてるの?」とか「Web2.0やロングテールって結局何?」と思っている人にお勧めの本です。あと3月13日(月)の朝日新聞の第三面にこの本の全五段広告が載るそうです。