ルーブル美術館の後は、ノートルダム寺院に行く。行くつもりはなかったのだがガイドブックに「ピエタ」があるというので行くことにした。以前読んだ沢木耕太郎の小説「深夜特急」の中で貧乏旅行でユーラシア大陸を横断する主人公が、キリストの亡骸を抱き悲しむマリア像を見て衝撃的に感動した場面を思い出したからだ。が、行ってみたものの「ピエタ」は祭壇の後ろにあり正面からだと10mぐらい離れていてよく見えなかったし「深夜特急」の主人公が受けたような衝撃もなかった。
というのも当然のことで後で調べたところ、「深夜特急」の主人公が見たのはローマのサン・ピエトロ寺院にあるミケランジェロの作品のものでまったく別の「ピエタ」だったからだ。それにしてもいつかローマの「ピエタ」を見てみたいもんですなー。
次は凱旋門を見にシャンゼリゼ大通りに行く。いろんな高級なお店があり日本で言うと銀座のようなところだろうか。ベンツやプジョーなど自動車メーカーのショールームもありプジョーのショールームで思わず3ユーロのキーホルダーを買ったり。また歩いてるとルイヴィトンのでかいオブジェがありかなりのインパクト。店なのかどうかは不明。また警察か軍隊かなにかのパレードがシャンゼリゼ大通りを行進して凱旋門をくぐって行くのにも遭遇。
そんでもって最後はこれまたお決まりのエッフェル塔に行く。行ってみると上に上るエレベーターはこれまた大行列。でもせっかくなので並んだがバルセロナでもエレベーター待ちでうんざりしてたがこれもかなりうんざりだった。おそらく1時間以上並んでいたと思う。並んでいる間にだんだんとあたりはくらくなってきて夕焼けのなかに塔の土台がくっきりとうかんでくる。
エレベーターには下から順に第一展望台、第二展望台、第三展望台とありそれぞれ値段も違うのだがどうせユーロも余りそうなので一番上の第三展望台までのチケットにする。やがて並んでいる間に完全に日が沈みライトアップされたエッフェル塔はさすがに美しかった。
帰りにまたシャルル・ド・ゴール空港に向かう電車にのってたら突然女の子が車内で縦笛を吹き始めた。小学校のときランドセルにアンテナみたいに入れたり吹くところがつばで臭くなるあの縦笛である。さほどうまくもなかったものの真っ暗なパリ郊外をみつつ聞いてると少ししんみりとしてポケットにはいってた小銭を全部あげてしまった。
というわけでこれでフランスネタはやっと終わりです。あー、我ながら書くの遅すぎ!!
やっとのことでパリの市街地に向かう電車に乗ってパリ市街に到着。まずは時間節約のため指差しで指定するとレンジであっためてくれる中華料理を食べる。
満腹になったのでルーブル美術館に向かう。地図を片手にぶらぶらと歩いていると突然巨大な建物が現れそれがルーブル美術館だった。さっそく中に入ってみる。
ちなみに料金を払う入り口はかなりなかにあるので小説「ダビンチ・コード」にも登場するガラスのピラミッドのある公園までは無料では入れる。ここをぶらぶらしていると白人の女の子が二人話し掛けてきて、自分のカメラを指差してフィルムを入れてくれと頼まれる。なんとかフィルムを入れるがうんともすんとも言わない。多分、電池が切れてるのだと思いつついろいろ試してみてると「他をあたるからと」いう感じでどこかに行ってしまった。よう分からん。
入り口はガラスのピラミッドの地下のホールになっているが世界有数の美術館という荘厳さは無く、人が多く雑然としておりどちらかというとターミナル駅のコンコースといった感じだ。8.5ユーロの入場料を払って入る。目的はもちろんミロのヴィーナスやモナリザだ。この広大な美術館の中でそういったメジャーアイテムにたどり着けるのか不安だったが、その心配はまったく無用だった。館内のいたるところに「モナリザこっち」という標識があるからだ。
まずはミロのヴィーナスを発見。ちょうど年配の日本人の団体がいてみんなデジカメで写真をとりまくっていた。それにしてもこんな有名な作品なのに手が届きそうな感じでおいてある。もしかしたらレプリカなのではなどと思ってしまう。とはいえさほど感動もなかった。
さらに膨大なキリスト教にまつわる莫大な量の絵をみつつ奥に歩いていくと「モナリザ」発見。ルーブル美術館で一番人気だけあってすごい混雑だ。これまたみんな写真を撮っているのだが、防弾ガラスの向こうにある絵をさほど明るくもない場所で手持ちのデジカメで撮ってもまあはっきりいって大して綺麗な写真は取れないわけで。他の人が写真を撮ってその出来栄えにがっくりするのを見るほうがよっぽど面白い。
「モナリザ」はなんだか不思議な絵で見てると、「私は知ってるんだからね!!」といった感じで話しかけてくる奇妙な感覚にとらわれる。まあ、私だけだと思うが。
もうちょっとパリの日記を書きます。
日本に戻るときにシャルル・ド・ゴールで乗換えなのだが、よく考えたら朝からパリに行ってエールフランスの23:25の成田行きでかえると12時間ぐらいのパリ見学が楽しめるので実行に移す。それに前回のように乗り換えダッシュをしなくてすむし。
10時のフライトに乗り昼前にはシャルル・ド・ゴールに到着。空港から少し離れたパリの中心部に行くためには電車がお勧めと聞いており、RERという国がやっている郊外地下鉄の乗り場へ行く。まずは肩にずっしりと重いノートパソコン入りのかばんをコインロッカーに入れたいのでコインロッカーを探すもみつからない。これを一日持ち歩けというのか?という絶望感にかられながらもさまよい歩くも見つからない。
どうしようもないのであきらめて切符を買うことにするが、この切符が恐ろしい代物だった。あー、思い出すだけで腹立つ!!まず自販機しかない。そして自販機には英語のインストラクションがない。そしてインフォメーションは長蛇の列。ベンチに座って重要な単語を辞書で引いていたらいつの間にか自販機まで長蛇の列になってしまった。列に加わって後ろから観察していると白人の人(国籍不明)がどうやらクレジットカードが認識されないらしくさんざんトライしてとうとうあきらめてどこかに行ってしまった。かと思えばさっくりアジア人が成功してたりする。どうやら確率は半々ぐらいのようだ。
やがて自分の番になる。ドキドキしながら自分のクレジットカードを入れるもどうやらエラー画面のようだ。後ろに並んでいる人に別のカードでやって見ろと言われいろいろやるも全部だめだった。(だめといってもそのエラーメッセージもフランス語で分からないのだが) 結局後ろの人にコインをゲットして来いといわれる。そう、駄目押しとしてこの自販機紙幣が使えないのだ。パリ行きは8ユーロなのでさっそくキオスクに行きミネラルウォーターを買い10ユーロでおつりをコインでと言うとだめだといって5ユーロ紙幣を返そうとする。じゃあ、ミネラルウォーターいらないとキオスクを後にする。仕方がないのでサンドイッチを売っているスタンドで同じようにミネラルウォーターを買っておつりをコインでとお願いするとやっとしぶしぶもらえた。つまり、こういうことだ。
- 自販機だけで窓口が近くにない
- インフォメーションは長蛇の列
- 自販機はフランス語オンリー
- 自販機はクレジットカードを半分の確率でリジェクト
- 自販機は紙幣は受け付けない
これがマイナーな場所だったらしぶしぶなっとく出来るが、相当利用客が多いであろうシャルル・ド・ゴールからパリ市街の経路がこの状態というのが不思議でしようがない。何かの試練なのだと思うことにした。
これまたすごい前の話なのだが…。BLOGっていったん書かなくなると全然書かなくなってしまいますね。結局夏休みで沖縄にいったあと再びフランスのMontpellierに出張でフランスに発つ前の日の夜中にやっとホテルがとれるという悲惨なスタートだったがまあそれは置いといて。
んでフランスの最後の週末も「もう行くところもないしホテルでぐーたらするかな」と思っていたが、一緒に働いているフランス人女性に「週末は何するの?」と聞かれついサービス精神を発揮して「最後だから遠いけどバルセロナに行こうと思っているんだ」と話すと、いろいろとバルセロナでの見所や注意点を教えてもらい、月曜日に「やっぱり行きませんでした」と言うのも嫌な私は日曜日に早起きして出発。どうにかならんかね、この八方美人な性格。
バルセロナまではいつも使っている高速道路のA9を使えば一本なので道は簡単なのだがなにしろ330キロもある。休憩時間と市内に行く時間などを入れたら120キロ巡航で片道4時間といったところ。往復だと8時間だ。少し早起きして出発して高速道路をひた走る。スペインへの国境超えも以前と同じなので感慨もない。高速を降りて標識に従っているとやがてバルセロナの市街地に入っていく。赤信号で止まると7,8人の子供が交差点で待機しており、一斉に車道に入ってきて片っ端から洗剤をつけてフロントガラスを磨き始める。私の車も洗剤をかけられたが、手で「ノーサンキュー」と合図をするとどこかに行ってしまった。後からワイパーで拭くとフロントガラスがピカピカに。ラッキーだけどちょっとあせった。
市街地に着いたので車を通りすがりのパーキングに入れる。それからおもむろに地図で現在地を確認してサクラダ・ファミリアに向かって歩く。言うまでもなくバルセロナはかなりの都会だが日曜日なためかあまり人通りもなかった。あせだくになってサクラダ・ファミリアに到着。昼飯がまだなのでそこら辺にあるレストランにはいってパエリアを注文。うまい!!
いよいよ本日唯一の観光スポットサグラダ・ファミリアに。ちなみにガイドブックには次のようにある。またネスカフェのCMでおなじみの違いの分かる彫刻家が現場主任をしていることでも有名だ。
ガウディの未完の代表作として、バルセロナの象徴として世界に知られる聖堂。着工から120年を経過した今なお建設途中で、現在シンボルとなっている12使徒を表す鐘楼をはじめ、教会全体でキリストの生涯をあらわす。
入場料の8ユーロを払って中に入ってみるとなるほどあちこちに建築資材が置かれており、まだ建設途中であることを思い出させる。あっという間に一回りしてしまった。上に行くエレベーターがあるので当然乗るとしても結構な行列。先頭の人に聞いたら1時間ぐらいとのこと。とはいえ他に予定がないので並ぶことにする。ちなみにメジャーな観光スポットだけあって南フランスでは見かけなかった日本人が結構いてちょっとうれしい。
一人なので1時間はかなり長かった。おかげで列の前のカップルがいかにラブラブかというのはよーく分かったが。上に行くと待っただけあってかなりの眺めだ。隣の鐘楼も水平に見れる。上では鐘楼と鐘楼の間の渡り廊下を歩くのだが柵が結構低くてなかなか怖い。途中で中年女性が恐怖のあまり動けなくなっていた。怖い代わりに上からはいろいろな方向にバルセロナの町を見下ろすことが出来る。ヨーロッパでは景観を守るため4階以上のビルがほとんどないそうだ。そのためそんなに高くない鐘楼からでもさえぎられるものもなく町を見渡すことができた。これが日本だったらニョキニョキと高層ビルが見えるんだろうなー。
塔を降りてお土産屋で少し小物などのおみやげを買って帰路に着く。なかなか高速に乗れなくてバルセロナをうろうろと走り回ってちょっと焦りましたが、また4時間ひた走って夜にはなんとか無事にホテルに戻ることが出来ました。次回は大変な目にあったパリです。