映画

「大停電の夜に」

大停電の夜に スペシャル・エディション (初回限定生産)
「ダニー・ザ・ドッグ」に続いて観たのが「大停電の夜に」だ。どこかで読んだのだが、数年前のニューヨークの大停電をインスパイアされて作ったとのこと。これも良かった。が、一つだけ注意事項。これを観る場合は必ず夜、それも遅めの時間に観ることをお薦めする。

舞台はクリスマス・イブの東京。何かの原因により突然、東京が大停電になる。そのクリスマス・イブに失恋した女がホテルの店員とエレベーターで二人きりになったり、久しぶりに出所して恋人に会いにいったら彼女が再婚してて、しかもその彼女が停電で止まった地下鉄の中で子供が生まれそうになって助けたり、自殺をしようとしている女性がたまたまそれを目撃した少年とめぐりあったり、長年連れ添った夫婦の妻が秘密を打ち明けたりと、その他もろもろのストーリーが10人ぐらいの個性的なキャラにより折り重なって行く。

そのなかでもひときわ光っているのは豊川悦司で、夢に破れたジャズバーのマスターの役。停電で店が開けられないところを、ひそかに豊川悦司に興味を持っていた向かいのローソク屋の女の子、田畑智子が自作のローソクを大量に使ってジャズバーが営業出来るようにしてあげる。そして、停電で真っ暗の東京の路地裏のジャズバーがローソクの灯りにより、ため息が出るくらい美しくライトアップされる。ああ、このシーン今まで観た映画の美しいシーンのベスト10に入ります。さらにその美しい映像にたたみかけるように流れるのが、有名なアルバム「Waltz for Debby」の1曲目の「My Foolish Heart」である。このシーン、絶対にお酒が飲みたくなります。

その客のいないジャズバーで、豊川悦司が過去の苦い恋愛を会ったばかりの、聞き上手な田畑智子についつい話していきつつ、このジャズバーが舞台となりつつ物語は進行する。それにしても感心するのは、男の私からしても魅力的な豊川悦司。やっぱこの男はすごい。

あとあと秀逸なのが、予告編だ。予告編といえばレンタル、セルDVDを問わず低ビットレートで2Ch音声、16:9の映像を上下を切って4:3の比率で入れたりした悲惨なものが普通だ。が、この予告編はいい。思わず映画館で予告編を観ている気分になる。関係者の皆様、他の映画でも出来るだけ予告編もちゃんと収録してください。

ともかく、ちょっとロマンチックな気分になりたいときにおすすめの映画です。たまには邦画もいいもんですよ。

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