この本は日本IBMの開発製造部門のトップであり専務の内永ゆか子さんが35年間の会社生活で楽しかったことや苦しかったことをつづった自伝だ。内永さんはずーっと上になるが私のボスだ。
この本は、働く女性におすすめである。この本では、今でこそ改善されつつあるが内永さんが入社した頃はやはり女性はマイノリティであり多くの点で男性に比べて不利だったとが述べられている。例えば昔は女性の残業時間は男性に比べて厳しく制限されており、プロジェクトが佳境になってくると残業が制限される女性はどうしても男性に比べて不利だった。そこで内永さんはどの社員が残業しているかチェックしに来たときにトイレに隠れていて、チェックの人が去ったらまた残業したとのこと。他にも女性の不利を工夫して克服したり逆に利点したエピソードがいろいろと書かれている。
またこの本は、働く男性にもおすすめである。この本の中で「オールド・ボーイズ・ネットワーク」として紹介されているのが、マジョリティである男性が無意識のうちに後輩の社員に対して髪型や服装や言葉遣いからお客様に対する摂氏方、会議の場での振舞い方まで指導しているネットワークだ。しかしマイノリティである女性に対してはこの指導が行われていないとのこと。男性は無意識のうちにこのネットワークを作り上げているとのことなので、「男女平等な職場」を作りたいのであればこの無意識の「オールド・ボーイズ・ネットワーク」を意識することは必ずヒントになるはずだ。また他にもこの本では女性の視点から会社が書かれており、男性は自分の見方と比較しながら考えなおすことができる。
そして印象に残ったのだが苦しいときの考え方だ。以下のようにある。
これは私の信念のようなものですが、苦しいときというのは「悪くてこの程度だからいいじゃない」と。だから必ず「あとはよくなるしかないのね」、悪くてもこれ以上は悪くない、と言い聞かせます。いい時というのは、逆に、「絶対にこれから調子悪くなる、気をつけなきゃ」と思ってしまいますから、すごく怖いのです。また悪くなると「この程度ですんだからいいや」と。そう思いながら北風に向かう旅人みたいに、足元を見つめて一歩一歩歩いてきたという感じです。
「部下を好きになってください」より
読んだあといろいろと振り返って考えさせられた本でした。タイトルの「部下を好きになってください」の由来は本を買って読んでみてください。これも面白いエピソードです。
大ちゃんが一番に書評書かないと。
まだ入手できていません…。今日ゲットする予定です。