書評

鉄子

鉄道マニアは、三脚を使って電車を撮影したり、「キハ」などとついている型番(?)に異常に詳しいとかそんな程度の認識しかなかったが、鉄道マニアにもいろいろあるようだ。中には鉄道にのってなんぼというカテゴリーもあるらしい。

最近読んで素朴に面白かった「鉄子の旅」は、普通の女子の漫画家の菊池直恵氏が鉄道マニアの横見浩彦氏 と一緒にひたすら電車に乗りまくる漫画だ。新幹線を使わずに鈍行と夜行を乗り継いで九州にいったり、大回りと称して160円で関東1都6県を旅したり(合法らしい)、潰れそうなローカル線のこれまたつぶれそうな駅にいって感慨にひたったり、レールクィーンと称して読者の女性を巻き込んでみたりなんとも楽しそうだ。

一番印象に残ったのは、鉄道マニアの横見氏が「この駅はすばらしい」と感慨に浸って漫画家の菊池氏が「わかんないなー」と理解を示さなかったときに言った「この駅は明治時代からあって、戦争で戦場に行く兵士を見送ったり、田舎から都会に出て行く人を見送ったり、はたまた戦場や都会から帰ってきた人を出迎えたり、この町の歴史をすべて見てきたんだ。そしてその駅が今もここにあり見ることが出来る。すばらしいとは思わないのか!」 という意味のことをせつせつと語る部分。うろ覚えで細かい内容は覚えていないが確かに地方の駅にはなんともいえない趣があると思う。

鈍行電車の旅って妙にノスタルジーがあるが、この漫画は人里離れた田舎に鈍行電車で行ってみたくなるそんな漫画です。

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