IT業界, 書評

パラダイス鎖国

この本のタイトルははじめは筆者である海部美和さんのブログで見たのだが、意味は一度見てすぐに理解できた。子供のころ、私の田舎ではまだまだ海外旅行や海外で暮らすなどということはなんというか雲の上のような存在だった。(が、大人になり都会に出てきて大きい会社のサラリーマンだと割と海外赴任などあり帰国子女も結構いることを知ったが)。で、割と最近まで無条件に海外の生活の方が生活レベルが上で便利だと思っていたわけですよ。

が、大人になり海外に出かけて思ったのは、「日本ってかなり住みやすいところじゃん」てこと。まあ日本の環境のすべてが良いというわけではないが、少なくとも「こんな住みにくい日本よりも○○の方が全然いいっ!」ということは全然無いと思う。なので、「もういいじゃん、日本の中で閉じてしまっても」というパラダイス鎖国的な考え方もよく分かる。

しかし、反対に日本が世界の中で先進国であり続けるためにはパラダイス鎖国なんかしてちゃだめだ。携帯電話ビジネスも三菱電機も撤退したし、やっぱりグローバルなマーケットを相手にしてないとそのうち衰退してしまう。という意見もよく分かる。

そう考えると、今話題の出島を作って一部分だけ開国してしまえという分裂勘違い君の案は秀逸だ。

シリコンバレーをはるかに超える、世界一のイノベーション都市を、日本に作る方法 – 分裂勘違い君劇場

東京から20分の街に経済特区を作り世界中から優秀な経営者やエンジニアが集まり日本の次世代のビジネスを作っていく。そしてそれらのビジネスが製造業に代わり日本を引っ張っていくというアイデア。

移民を受け入れて単純労働を置き換えるとヨーロッパのように職を奪われる人の抵抗も多くなるだろうが、もともと存在しないマーケットを創り新しいビジネスを展開する分には誰も文句はないだろう。まさか「Web検索による広告モデルは俺がやろうと思っていたのにGoogleに取られた」などという人がいないように。

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