書評

「Web2.0でビジネスが変わる」を読んで

Web2.0でビジネスが変わる
練習もかねてまだ慣れないMacでせっせと書いています。また新しいWeb2.0の新書が出たということでさっそく本屋でゲット。もちろん初版。そもそも私がこの本の存在を知るきっかけになった弾さんのブログのエントリー「Web2.0であなたが変わる」によるとこの本は、「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる」「グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する」に続く「三部作」のトリをつとめるのにふさわしい作品とのこと。筆者は本の中で次のように書いており、Web2.0によってビジネス、あるいは人間の行動がどのように変わるかについて書かれている。

だが、あなたが技術者でない限り、「あちら側」のシステムを支えるテクノロジーの話などを深く知る必要はない。昨今、パズワードを「解説」しようと、タイトルに「Web2.0」と冠した本が数多く出版されているが、その内容は技術やインターネットの閉じられた世界の話が多い。しかし、大事なのは技術そのものの進化ではなく、その進化が実際に人間の行動を変えることだ。だから、Web2.0の本質を知るためにはまず、「2.0的」といわれるサービスをとことん使い込んでみることをお薦めしたい。「Web2.0でビジネスが変わる」より

私が、この本を読んで最も「ほう!」と思ったのは、第2章の「マスメディアからCGMへ」である。以前、このブログのエントリー「テレビCMの広告モデルは大丈夫なのか?」に書いたように、HDDレコーダーによるCMスキップや、そもそもテレビCMに対する広告効果の疑問などを勝手に心配していたのだが、そのことがずばり書かれている。

マーケティング用語だと思うのだが、人が何か物を買うときのステップは、

Attention(ほう!)
Interest(へえ、なるほど!)
Desire(これ、いいかも!)
Memory(あれ、いいよなー)
Action(買っちゃえ!)

の「AIDMA」だそうだ(カッコの感嘆文は私のオリジナル)。が、ネットの発達した現在では、

Attention(ほう!)
Interest(へえ、なるほど!)
Search(ぐぐりまくり!)
Action(よさげだから買っちゃえ、ポチっとな)
Share(これ、いけてまっせー)

の「AISAS」に変わっているとのこと。しかも最後の「Share」は次の「Attention」を再起的に誘発する。これを読んで私は「ええ、変わってます、ばっちり変わってますとも!」と思わず賛同することしきり。少なくても同世代の私の周りの人でネットで調べずに高価なものを買う人は少ない。あんまりネットとか使ってなさそうな人でも意外と「価格.com」の口コミ情報を熟読していたりするもんだ。

そう考えると、とどのつまり資本主義経済の要は人間が金を使うことにあるので、この購入サイクルが変わるということは経済全体に大きなインパクトをもたらすのではないだろうか?だとするとビジネスとしての狙うべきポイントはずばり、この新しい購入サイクルに積極的に介入していって自社製品に有利に誘導することにあるのではないかと思う。Googleが目を付けたのはSearchからActionに結びつけることで、結びつける対価として企業から莫大なお金を受け取っている。この購入サイクルをじっと見つめていると新しいビジネスモデルが浮かんでくるのかもしれない。

あー、慣れないMacで書いたのでちょっと疲れました。ふぅー。

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