書評

実践Web2.0論 Web2.0を第二のネットバブルにしないための警告の書

実践Web2.0論 Web2.0を第二のネットバブルにしないための警告の書
この本は本屋で見つけ中身を見ずにそのままレジに。なぜかというと作者が川俣 晶さんだからだ。昔なにげなく読んだコラム「20年前の言葉」がかなり心に響いて今でもときどき思い出すぐらいインパクトがあったからだ。川俣さんは「短いプログラムは無条件で正しい。なぜなら、短いプログラムは短いというだけで実行速度も速く、理解も容易であるからだ」というトンデモ説を若い頃に見つけて、それから20年プログラマーとして働いてやはりこの説は正しいのではないかと書いている。私もこのコラムを読んで直感的に賛同した。ただ川俣さんがこのコラムで次のようにに書いているように証明出来ていないし実践することは出来ない。

短いプログラムは正しいという原則は、筆者が正しいように思えると感じているだけで証明されたわけでもないし、正しいということを保証できないことは、明確にしておく。

最後に1つだけ注意を述べよう。短いプログラムは正しいという原則は、ほとんどの職場では実践できない。なぜなら、プログラムの値段はステップ数や人月を基準に計算されることが多く、できるだけ大きなプログラムを作った方が売り上げがあがるからだ。それは、筆者が開発の現場から身を引いた理由の1つでもある。思いどおりにプログラムを書こうと思ったら、趣味でプログラムを書きながら技術解説屋をやるしかない、ということである。
川俣 晶 20年前の言葉より

さてこの本だが、前半部分のGoogleやAmzon、はてななどの解説はそれらのサービスを使っているような人には特に目新しいところはないかもしれない。しかししかし、6章以降のWeb1.0のバブルが何故にバブルだったのか、Web2.0の会社はどのようにあるべきか、現在成功しているWeb2.0の死角など、ありそうでない分析がエンジニアの視点から淡々と解かれており非常に充実したものであった。とても読みやすくさくっと1日で読めるのでとてもおすすめです。

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