勝間式, 書評

PHS好きだった人必読の小説「EXIT 売却」

EXIT 売却まったくノーマークだったが、PHS業界それもWILLCOMをベースにした小説ということであわててiPhoneで購入して一気に読破。投資ファンドに引きぬかれた主人公がリテア(と作中にあるがどうみてもWILLCOM)の再建にとりくみ、再生させるという内容。途中までは史実(?)通りだが、途中からだんだん変わってくる。結末は読んでのお楽しみ。以下、アマゾンにあるあらすじ。

【あらすじ】 ヒロイン亜希子は29歳。世界的なPEファンドに転職直後、業界最弱の通信会社・リテアへの出向を命じられる。そのミッションはリテアの執行役員経営企画部長としてトップラインを引き上げること。無論、近い将来、リテアを好条件で売却するためだ。亜希子の奮闘が始まるが、「若い」「女」「生意気」の3拍子揃った亜希子にはリテアの部下はついて来ようとしない。そこで亜希子のとった手段は・・。【おすすめポイント】1通信業界の内実、戦略コンサルティングファームの手法、外資ファンドの思考など、3つの業界を横断的に学べます。2部下の信頼を得るとき、会議のファシリテーターを任されたとき、新たな市場を開拓するとき、最大利益を得られるプライシングを考えるとき、実際のビジネスの現場で役立つノウハウが小説内に満載です。3小説なので、楽しんで読んでいるうちに自然にビジネス思考が身につきます。

原案の勝間さんが通信業界の仕事をしていて詳しかったのだろうが、ディテールがかなりリアルで面白い。個人的なポイントはだいたいこんな感じ。

  • 立て直し役として入った亜希子が直面する課題、そしてどのようにして解決するかの亜希子の思考が細かく描写されており超リアル。基本的に超ハードワーク。亜希子のような人も時々いるけど、部下などの登場人物も「いるいるこういう人!!」という感じでイメージが湧きやすい。
  • 東大→銀行入社→海外留学してMBA取得→帰国後外資系金融機関に転職といった周りにあまりに縁がない人達の暮らしぶりがみえる。(仕事に対する価値観、仕事の進め方、交友関係、お金の使い方などなど)
  • 当時のPHS事業の置かれている問題が正確に書かれており、取るべき戦略はなにだったかとPHSを総括できる(まあ完全な部外者ですが)とともに今後の可能性についていろいろ想像を膨らますことができる。
  • フィクションなので、一応名前をかえてあるが元の会社などは簡単に分かりちょっと面白い。新規に3番目の携帯キャリアを買収した会社がかわいらしい「猫」をマスコットにした怒涛のCMを打つという部分などは、「もうそこは犬でもいいのでは?」とつっこみたくなった。

それにしてもiPhoneでこれだけ長い本は初めてなのだが、トイレ等にいって「さあ、続き続き」と本能的に紙の本を探してしまい、「そうだ。iPhoneで読んでるんだった」毎回ためらう。修正というのは恐ろしいものだ。読みだすと止まらなくなるので要注意!

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