このエントリーは前に書きかけで眠っていたものを発掘したもので、昨年末に行ったセミナー「デジタル・テレビの挑戦」での感想です。
セミナーの中で中嶋氏が紹介して「ほう!」と思ったのがWebやテレビを見るときの姿勢としての前のめり(lean forward)と後ろのめり(lean backward)という考え方。というのはWebを見るときは積極的に情報を探しに行くので前のめりであり、テレビを見るときはチャンネルぐらいしか変えないので受動的で後ろのめりということである。机ではパソコンのモニターを食い入るようにみつめテレビをみるときはソファにふんぞりかえるというイメージしてみた。で、中嶋さんの主張は「前のめりのコンテンツであるWebを後ろのめりのメディアであるテレビにそのまま持ってきてもうまくいかないでしょう、WebTVがその例だよね」というものであった。納得である。
だとするとどのようなメディアがいいのだろうか?松下の人の別の講演によると、松下の答えは「アクトビラ」だ。これは提供者が選んだ良質のコンテンツだけを提供するいわゆるWalled Garden方式。また、Yahoo!の人による講演によるとYahoo!の回答は「Yahoo! Digital Home Engine」とのことでこちらはYahoo!のニュースやオークションなどをテレビで見やすいように加工して表示。もちろん中嶋さんの答えはUI Engineである。さらに任天堂もWii Cannelにてこの「テレビ放送以外の後ろのめりメディア」の座を狙っているし、もちろんPS3もAppleのiTVも虎視眈々と狙っている。
これらの中でどれが勝つかは分からないが、皆の話をまとめるとポイントはこのような感じであろう。面白いのでいろいろ買いたいのだが、もちろん買いすぎると大変なことになるので要注意。
と前はここまで書いてすっかり忘れていたのが、3ヵ月後の今となっては上の条件をぴったり満たすはてなのRimoがあるではないですか。はてなのRimoを見たことがない人は、正に「百聞は一見にしかず」なのでぜひとも見てみてください!
たまたま同時に何人かの友達から「食器洗い機はいいらしい」というのを聞いて買ってみました。買ったのはkakaku.comの口コミ情報を熟読して一番音が静かというSANYOのDW-SA1をチョイス。さて食器洗い機をつけるときに気になるのはどこから給水してどこに排水するかだが、これは分岐水栓なるものをキッチンの蛇口のところに取り付けてそこから給水して排水はシンクまでホースを引っ張り流すということが分かった。この分岐水栓は自分のの蛇口に合ったものを買わなくてはならず、だいたい1万円ぐらいする。
面白そうだったので分岐水栓の取り付けも含めて設置は全部自分でやってみた。家の水の元栓を止めて分岐水栓を取り付ける。大体20分ぐらいで取り付けは完了して、おもむろに元栓を開けたがうれしいことに家の中で噴水ということにはなってなかった。さて分岐水栓さえ取り付けてしまえばあとは簡単だ。さっそくキッチンの端に置いてさっそく使ってみる。
買った機種は一応6人用となっているが、それは食器洗い機にぴったりの食器をそろえたときの話であって、手持ちの食器だと大きすぎたり小さすぎたりしてうまく詰めて4人分というところか。この詰めるというのがなかなか曲者でパズルのようだ。そしてそれ故に食器を詰めるのは面白い。まだ、使い初めて2週間だがすっかり洗い物を詰めるが毎日の楽しみになってしまった。ちょうどぎりぎり全部の食器が入ったときなどなんとも言えない充実感を感じる(まあ、少しぐらい残っても手で洗えばいいのだが)。そして動き出したら台所に座って洗う過程をずーっと観察したりしている。
さてちなみに、洗浄力についてはすっかり満足している。食器洗い機って無洗米のようなもので、使うまでは「いやー、米ぐらい自分で研ぐでしょ」と思っていても一度無洗米を使うともとに戻れないのに似ている。だから確かに以前は「いやー、食器ぐらい自分で洗うでしょ」と思っていたが、今となってはもう元には戻れない。人間なんて実に横着なものだと思う。
日テレのニュース番組ZEROを見ていたら京王線の脱線を現地から一般市民がFOMAを使って生中継してる。すごいです。子供のころの私が見たらショック死するかも。
大好きな番組をひとつ挙げろと言われたら間違いなく即答するのが、火曜日の夜10時からテレビ東京で放送されている「ガイアの夜明け」だ。外れがほとんどなく毎週必ず面白い。あ、もしも有料化されたら毎週500円までなら出します。
今週は、「激突!巨大家具メーカー」で、これまた面白かった。セルフサービスを徹底することにより安くて質の高い家具とともに日本に乗り込んできたスウェーデンのイケア、今までの成功体験を捨てラインナップをしぼり世界に挑もうとするニトリ、すばらしい家具はお客様にきちんとすばらしさを納得してもらえれば高くても必ず買ってもらえると考える大塚家具などなど、それぞれの会社のビジネスに対する熱いパッションを家にいながら見れ全く大満足だ。
その中でも特に感銘を受けたのが年間3億円を売り上げる大塚家具のセールスマンだ。前のエントリー「ソファ」でも書いたように、私も大塚家具にソファを見に行ったことがある。で、欲しい色がなくてやめたが30万円もするソファを買おうとしたことがある。
普通の家具の店員は、客が欲しいといったものを単に見せるだけだ。が、大塚家具の店員は違う。大塚家具の店員はおそらく以下のステップを踏むように教育されている。(と思う)
1.客が欲しいといった家具を見せる(が、本当にその家具が満足なのか客もよくわかっていない)
2.実際に見たり触ったり座ったりさせて、「どうですか?この家具?」と全神経を集中して傾聴する
3.「この客はこう言っているが、本当はこっちの方が満足するのでは?」と分析して客にさりげなく新しいことを気づかせつつ、別の家具を見せる
4.満足するのが見つかるまで2、3を繰り返す
客が店に来るまでは自分でもはっきりしなかった欲しいイメージを一緒に絞り込んでいくわけだ。もっともこれは上から下まで在庫が豊富にある大塚家具だから出来るのだろう。私は営業職ではないが、多分これは営業の基本だと思う。ともかくストレートに「どんなものが欲しいか?」とユーザーに聞いても、それだけを用意すればいいわけではないということは最近実にいろいろな本やブログで目にする。
たとえば、CNET Japanのブログ中島聡・ネット時代のデジタルライフスタイルのエントリー「ユーザー指向のもの作りに関する一考察」では、以下のようにある。
そこには、自動車産業の父、Henry Fordの言葉「もし私がカスタマーに何が欲しいかと尋ねたら、彼らは『もっと早い馬が欲しい』と言っていたでしょう」が引用してあり、「カスタマー(顧客)の声を聞くことは大切だが、彼らに『何が欲しいか』を聞いても必ずしも答えは出て来ない。それよりも彼らの行動を良く観察し、どんなところで苦労しているか、彼らなりにどんな工夫をして今あるものを使いこなしているかを理解した上で、何を作るべきかを考えるべきだ」と結論付けている。
ものすごく共感できる。この業界にいると、「ユーザーの声を聞くことは大切だ」というセリフは良く聞くが、それを頭から「ユーザーが欲しいと言っているものを作れば良い」と誤解している人たちが結構多いので困る。「中島聡・ネット時代のデジタルライフスタイル、ユーザー指向のもの作りに関する一考察より引用」
また私の好きな本ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たちの0章「メイド・イン・USA」にも次のようにある。
フォーカスグループに車をデザインさせるのは、短期的にしか成功しない。長期的にはよいデザインに賭けるほうが勝つ。フォーカスグループはその時流行りのうわべの装飾を欲しがるかも知れない。だが本当に欲しいのは、洗練された買い手の真似をすることだ。売春婦のヒモや薬物密売人だって、医者や弁護士がキャデラックからレクサスに替えたことにいずれ気が付いて、真似をし始めるだろう。
*(訳注)フォーカスグループとは製品のデザイン段階で、対象となるユーザー層からの意見をデザインに反映するために集められるユーザーのグループのこと。製品のコンセプトのプレゼンや試作品を基にユーザー同士でディスカッションを行う。「ハッカーと画家 0.メイド・イン・USAより引用」
どのビジネスも長期的な成功の秘訣はこのあたりにあるのだと思う。
もう2週間ぐらい前になるが、リアプロを買ったのでさらに調子に乗ってハードディスクレコーダーも新調した。今度のレコーダーは地上デジタル、BSデジタル、110度CS、地上アナログの4種類の放送を見たり録ったりできるので、前から見ていたBSデジタルに加えてこれにより地上デジタルと110度CSも見えるようになった。シングル・チューナーは嫌なので、キーワードによる自動録画機能は泣く泣く我慢して日立のWoooの500Gバイトのものをチョイス。現在、デジタルのダブルチューナー搭載機は日立とシャープのみで、残念ながらいずれもキーワードによる自動録画機能はない。ちなみにダブルチューナーだと2番組同時に録画しながらさらに別の番組を再生できる。ああ、なんてステキなんでしょう。
前から気になっていた地上デジタルはやはり綺麗だった。ちなみに今のマンションはiTSCOMが入っているので契約しなくてもパススルー方式で地上デジタルが配信されている。放送内容は各局とも地上アナログと同じようでハイビジョン化されているのは主にバラエティとドラマでニュースやスポーツはまだの場合が多い。
レコーダーのマニュアルをみたら興味深い機能を見つけた。それは「とばし観」という機能だが、マニュアルには「再生中、本編以外のシーンだけをとばして観ることができます。」とある。ここでいう「本編以外のシーン」はもちろんCMのことだろう。設定しておくと自動的にスキップしてくれるのでユーザーは実際には民法でもNHKと同じようになる。ただ、バラエティーの場合CMが長くなっても「続きはCMのあと!」みたいなあおりがあるので厳密には違うが。CMが個別のストリームなっていることを利用しているようだ。以前、「テレビCMの広告モデルは大丈夫なのか?」に書いたが、やはりテレビCMのビジネスモデルにとっては大変な時代のようだ。
今月のはじめに引越しをしたわけだが、引越しシーズンでもないので油断して直前に前に使った「サカイ引越センター」に電話をしたら「もうトラックがありません」と言われた。で、大手の別の業者に連絡してみたところ、トラックが確保できるというので今回はその別の業者にしてみた。
で、引越しが終わってしばらくしたある日、ポタポタと水の漏れる音に気づいて見てみると洗濯機の給水ホースから水が漏れている。で、引越し業者が「これは要りません」と言って、ねじでしめる継手(つぎて)を使わず直接ホースを蛇口にさしていたのでそれが原因だろうと思い継手をとると、なんと蛇口にパッキンが残っていた。これは明らかに継手のパッキンで、はずれたパッキンを継手にはめようと思ってもはまらない。当然もう一度蛇口にさしても水がいきおいよく漏れてくる。洗濯機の説明書をみても継手を直接蛇口にさすような話は載っていない。
微妙なケースだが一応、引越し業者に電話していきさつを話すと「とにかく一度見せてくれ」とのこと。私としては明らかに壊れたので保障してくれないのなら来なくていいというニュアンスだったが、「とにかく一度見せてくれ」というので来てみてもらった。で、本当に漏れるを確かめるわけでもなく話を聞いただけで「パッキンの寿命なのでうちでは何も出来ません。」などとせちがらいことを言う。近年まれにみるぐらい頭に来て「もう結構です」と言って追い返した。
以前のエントリー「PIXUSその後」で書いたように、ヨドバシカメラとキャノンの例を通して、カスタマーサービスにおいて失敗してもアフターケア次第でピンチをチャンスに変えて、顧客満足度を向上させれるという教科書的な例を経験したが、今回はまったく逆のケースだ。「悪いうわさ」は「良いうわさ」の10倍のスピードで伝播するらしい。
真実としては本当にパッキンの寿命かもしれない。重要なのは、「引っ越す前は漏れていなかったのに、説明書に載っていない方法でホースをつなげてあって、取ってみたらパッキンが外れて壊れてしまった」というケースに対して「パッキンの寿命です」と言われて納得するかどうか、顧客の立場に立って想像できる能力があるかどうかだろう。
結局水漏れは2,000円の給水ホースを買ってきて自分でつけると簡単に直った。が、今回腹が立ったのはそれどころではないので、せめて自分が他人にサービスの仕事をする上の教訓とすることにする。ちなみに今回の引越しで、中古で10年物のBSアンテナが壊れて、さらにエアコンの音が若干大きくなった気がする。これらも微妙なケースだが上の件もあるのでますます疑わしく思っている。次は絶対違う業者にするぞー。
引越ししたのでカード会社やWILLCOMなどに「住所が変わりました」といちいち電話したりしないといけない。まだやってないが非常に面倒である。
ここでふと思ったのが、なぜ電子メールの転送サービスのようなものがないのかという疑問である。たいていのプロバイダーはメールの転送サービスを提供している。なので、プロバイダーを変えるたびにいちいちアマゾンに登録しているアドレスを変えたりはしない。(もっとも電子メールの場合、転送しなくても違うプロバイダーに接続していてもPOP3経由でメールを受信することは可能だが)
私がリアルメールの配送会社たる郵政公社にして欲しいサービスは、転居届けを出しての転送期間の廃止(現在は1年間)と何度転居しても転送してもらえるサービスである。が、リアルメールでこれをやるのは難しいだろう。なので郵政公社がユニークな番号(仮に住所番号とする)を希望者に割り振り、ユーザーがその番号に対する住所を登録するとその住所に届くというのはどうだろう?あて先に住所の代わりに住所番号を書くと、郵政公社がリアルメールの配送を受け付けた際に登録済みの住所を引いてその住所に配送する。どのネットワークにつながっても一意のIPアドレスで通信できるようになるMobile IPのようなものである。
この仕組みだとユーザーが引っ越した場合は郵政公社のホームページなどで自分の住所番号の住所を更新するだけですむ。クロネコヤマトなどには郵政公社が格安でこのデータベースを公開すればよい。もちろん転居先を知られたくない人は、新たに住所番号を取得することも可能である。こうするとこの住所番号が恒久連絡先となり、「住所変わりました」という電話から永遠に開放される。欠点としてはなんといってもあて先が味もそっけもない番号に変わって趣がなくなることだ。世の中、この例のように技術的にはちっとも困難でなく、みんなハッピーになるというのになぜか存在しないものが多すぎる。
近い将来クレジットカードや携帯の請求書も電子メールになり、そもそもリアル住所などどうでもよいのかも知れないが、通販での配送はなくならないだろう。ちなみに私のdaitoku@saitoudaitoku.comというメールアドレスは死ぬまで使う予定である。いや、もしも可能ならば死んだ後も永久欠番ならぬ永久ドメインにしたいと本気で考えている。
最近のエントリー「GyaOを見て思ったテレビの広告モデル」の続きである。前回は動画をネット配信することにより、視聴者に合わせてきめ細かくマーケティングが出来そうじゃん!みたいな話だったが、では今のテレビ放送のCMってどうよって思ったわけである。
例えば私の場合、家ではパソコンのキャプチャーカードが自動録画したものしか見ておらず、リアルタイムでチャンネルを回しながら見ると事がほとんどなくなった。ちなみに自動録画のキーワードは「ガイアの夜明け、島田紳助、常盤貴子、佐藤浩市、ミラクル☆シェイプ、田舎に泊まろう、ダウンタウン、恋のから騒ぎ、黒木瞳」だ。そんでもって、勝手に録画された中からその日の気分で適当に選んで見ている。
このとき自動録画された一覧の中にさりげなく「これはmixi友達の○○さんのイチオシ」とかあると、昼食時や飲み会などで自分だけ見てないときや、自分しか見てないといった悲しいシチュエーションが減って、話もはずむのでステキである。が、まだない。結局、自動録画された番組も半分も見ることなく1ヶ月ぐらいで全部消しており、そもそも録画番組も含めてもテレビを見ている時間が相当減っている。
さて問題のCMだが録画した番組なので、容赦なく全部スキップである。スキップは30秒スキップボタンを連打するのだが、最近のバラエティーは、ザッピングしている視聴者を捕まえるためにたいていCMの後にもう一度あおるので、スキップしすぎてもむしろちょうどいいぐらいだ。もっとも番組ごとのCMのタイミングをネットで提供して、再生時にスキップするようにすればユーザーからするといっさいCMが見えなくなり、非常にハッピーなのだがまだないのだろうか?ちなみにCMのタイミングはWeb 2.0っぽく、せっせとコマ単位でCMをはずしてDVDにライブラリー化にしている人のを再利用したり、すでに見た人のスキップタイミングを集めて平均値を再利用したりするとかっこいい。
まあしかし、私の場合は特別で普通の人はまだまだCMを見ているのだろう。そうだとしても、あれだけばんばんやっているCMがどれだけ購買に結びついているか前から疑問に思っていた。と思っていたら面白い記事「民法の根幹を揺るがす、ある深刻な事態(3)」を見つけた。この記事、連載3回目なのだが今までは松下電器が持っているCM枠のすべてを10日間の間、問題のある石油ファンヒーターの広告に差し替えても、大画面テレビのビエラの売り上げに影響がなかったことなどを取り上げており、さらに今回は次のようにあった。
もう何年も前のことだが、筆者は、テレビの最大の「お得意様」であるバストイレタリー・メーカーの宣伝部員から、「私たちのいちばんの悩みは、あれだけ売っているテレビCMがどれくらい効果があるか、ハッキリしないことなんですよ」と聞いたことがある。
なるほど、CMをばんばん売っているほうもやはりどれだけ効果があるか分からないらしい。私の場合でもむしろ、尊敬するスタパ齋藤さんの連載記事のほうがよっぽど購入に結びついている。ていうか結びつきまくりだ。また欲しい製品があるとメーカーのページではスペックをチェックするだけで、あとは「(製品名) 感想」とか「(製品名) レビュー」などのキーワードでぐぐりまくっている。最近見た大好きな番組、ガイアの夜明けの「膨張!クチコミ巨大市場 〜ネット時代の消費革命〜」の回でも、普通の消費者の化粧品に対するコメントを集めたアットコスメで人気の商品がほとんど宣伝もないのに飛ぶように売れていると紹介していた。そういえば何か大きな買い物をするときはkakaku.comの口コミも熟読している。
と考えると、少なくても私が物ごころついて以来、何の疑問も持たなかったテレビCMのビジネスモデルも、最近ではハードディスクレコーダーにスキップされるは、別のメディアが出てきて脅かすわでなんとも大変な時代である。
今年になってからブログで紹介されている本を買うことが実に多い。多くの場合ブログからアマゾンへのリンクがあるのでいったんウィッシュ・リストに入れておいてある程度たまると注文している。アマゾンのアカウントサービスで過去1年で買った本をみると13冊中すべてがブログなどインターネットで紹介されていた本だった。ちなみに「あわせて買いたい」で買うことはあまりない。
それに対してリアル本屋(造語かも知れないが誰しも意味は分かると思う)で買う本はほぼすべてがブラーっと立ち寄って手にとってパラパラと中身をみて「ほう、これはいい」と思った本だ。以前、立花隆の本かなにかで「本屋で手に取った本はお前と縁がある本だから一期一会だと思って基本的に全部買え!」という過激な発言を読んだことがあるが、そうはいかないまでも深く考えずにさくさくと買っている。でなにが言いたいかと言うと、
- アマゾンで買う本はブログで紹介された本で中身は1ページも見ずに買う
- リアル本屋は中身をちょっとみて良かったら買う
という住み分けが完全に行われているということであり、おせっかいな話だがそれぞれまだ売り上げを残す余地があるのではないかということである。とはいえアマゾンではすでになか見!検索なるものを始めている。このサービスは本来は本の中身まで検索対象にするのが目的だが立ち読み的なことも出来る。実際、購入履歴のあるアカウントでログインして頭がいい人、悪い人の話し方という本のページで「サンプルページを閲覧」をクリックすると最初の何ページかは読むことができ、上で指摘したホワイトスペースに食い込もうという姿勢が見られる。
それに対してリアル本屋はせいぜい端末で検索が出来て「その本は3Fにあります」などと言われて途方に暮れるものがほとんどだ。また店員に聞くという手もあるが、多くの場合店員がうろうろと一生懸命探してくれて最後は申し訳なさそうな顔で「お取り寄せになります」とか言われ、色々な意味で胸がいたむ結末になることが多い。(もちろん、探している本がハリーポッターの新作とかならこの方法で問題ない)
で、私があったらいいなーと思うサービスとしてはインターネットでウィッシュリストに入れておくと近所の本屋で在庫があるところが表示されさらにその店のどこにあるか、例えば棚に番号を振りその番号といった情報まで教えてくれて、さらにそれを携帯メールに送ったりするといったものだ。リアル本屋がアマゾンに絶対負けないアドバンテージは「実物を見れて、気に入ったらその場で買うことができる」ということに尽きる。このアドバンテージを生かしてインターネットで紹介された本をリアル本屋で買わすよう仕向けない手はない。私の勝手な希望としては2010年ぐらいまでにはそれぐらいはして欲しいものである。ちなみにレジで「この本を買った人はこの本も買ってます」とか言われるのはノーサンキューである。