社会

ザ・ノンフィクション

前回のエントリーで日本ではコンテンツ市場が育っていないなどと書きましたが、私が「ガイアの夜明け」についで好きな番組がフジテレビの「ザ・ノンフィクション」である。毎週日曜日の午後2時からのドキュメンタリー番組なのだが、昼下がりのスポーツ番組や芸能人が外国に行く番組ばかりの時間帯なので、周りでも意外に見ている人は多い。ただテレビ欄には番組名の「ザ・ノンフィクション」はなく毎回の内容で載っているので、「ザ・ノンフィクション」とは知らずに見ているようだ。

今週はちと映画「UDON」のプロモーションっぽいが、讃岐うどんの老舗の店に入門して独立する若者を追ったもので面白かった。京都出身の大学生だった主人公の男の子はヒッチハイクで四国を旅行中にたまたま乗せてくれた人が「やまうちうどん」という讃岐うどんの名店に連れて行ってもらい、感動してそのまま弟子入り。師匠に「一人前になりたかったら3年はしんぼうしろ」と言われて3年間ひたすらとうどんを作り続ける。で、3年たって独立する話。この男の子がまたなんというか純朴でついつい応援してしまい引き込まれて見てしまった。

この番組最近では、消えそうになっている芸者文化をなんとか次世代に残そうとがんばっている渋谷の芸者さんや、柴又の草だんご屋で奮闘する跡取りなどゴールデンタイムの番組がとりあげないようなテーマを丁寧に追いかけて毎週見せてくれる。この番組も「ガイアの夜明け」と同様お金払う価値ありです。ハードディスクレコーダーを持っている人はだまされたと思って登録してみてください。フジテレビの日曜日の昼の2時です。

讃岐うどんについてはよく会社の先輩のヂュンコさんから聞いていたのだがこの番組を見てますます食べてみたくなった。今度実家に帰ったときに行ってみよう。そういえば長い間うどんって食べてないなー。あと映画「UDON」も見に行きたくなりました。

書評

「ネットがテレビを飲み込む日」を読んで

ネットがテレビを飲み込む日―Sinking of TV
HDDレコーダーやYouTubeなどを使っていると、いつも「今のテレビというものはいつまで今のままなのか?」という素朴な疑問を持つ。テレビ局のビジネスモデルについては、前に「テレビCMの広告モデルは大丈夫なのか?」で書いた通りだ。

この本では、「なんでブロードバンドが普及した今になってもネットでテレビがみれないのか?」という素朴な疑問に対して、技術面、通信業界と放送業界の違い、著作権といった切り口で分析している。この本を読んではじめて知ったのが、テレビやラジオでアーティストの音楽を放送する場合は事前に許可を取る必要なく必要に応じてばんばん放送すればいいのに対して、ネット配信などのその他のメディアはいちいち関係者に許可を取る必要があるということだ。前に、「GyaOを見て思ったテレビの広告モデル」で無料動画GyaOのコンテンツがいまいちぱっとしないと書いたが、その原因がよく分かった。つまり今のテレビ局をとりまく現状は、次の通りである。

  1. 電波という有限の資源に対する既得権益により新規参入は事実上不可能
  2. テレビCMの強大な効果と莫大な広告収入
  3. 番組制作は放送局主体で下請けのプロダクションが作り放送以外には使われない

さて、ネット配信によりこの分野に新規参入する場合、1の問題はインターネットという無限のリソースを使うので当然クリアできる。2の問題も視聴者にあわせたきめ細かいCMにするなり、そもそも有料放送にするというビジネスモデルも選択肢にあるのでなんとかなる。が、いかんともしがたいのが3の問題である。私は常々、ネット配信の会社は放送局の下請けのプロダクションから直接コンテンツを買えばいいのにと思っていたのだが、これは出来ないのだ。なぜならテレビで放送される場合に限って著作権処理(著作権を保有している人の許諾を得ること)が不要な一方、テレビ以外で放送する場合は著作権処理が必要になるからだ。つまりテレビ番組は制作から放送まで垂直統合された小さな系の中で循環するのみで、これが日本にコンテンツ市場が育っていない原因となっているそうだ。

だとすればネット配信会社はどうやってコンテンツを調達すればいいのだろうか?ひとつは自分で作るというシンプルな解決策がある。この方法が成功する可能性として、皮肉なことにライバルのテレビ業界が参考になる。私が生まれる前の話なので実感は湧かないが、テレビが普及する前は映画の黄金時代だったそうだ。そしてテレビが普及し始めて映画の脅威になり始めると、映画業界は「5社協定」なる規則を作り、映画の俳優がテレビに出演するのを禁じた。テレビ業界は仕方ないので自前で作家や俳優を育成したそうだ。

この歴史からの教訓として、テレビ業界がネット配信に拒否反応を示すのは自然な行為といえる。またネット配信業者が自前で作るのも歴史的に見れば自然なのかも知れない。そもそも民放のコンテンツは視聴率さえとれればいいので、真剣な内容よりも何かをしながら見たり人と話しながら気軽に見れるバラエティ番組が主体になっている。なのでネット配信業者は既存のテレビのコンテンツに執着せず見切りをつけた方がいいと思う。任天堂の岩田社長ではないが、マーケットシェアを増やすのではなくマーケットを作る、つまり今あまりテレビを見ていない人に訴求するコンテンツ作りをするのが、ネット配信の行くべき道だと思う。そしてネット配信業者はテレビ業界みたいに垂直統合せずにコンテンツ市場を育ててもらいたいと思う。

かくいう私は55インチのリアプロで地デジのハイビジョン放送を堪能していたりするのだが、それでも私はネット配信にすべきだと思う。それは放送ではどんなにがんばってもオンデマンド配信できないからだ。想像してみて欲しい。月9のドラマを録画してみる人が人口の5%いたとしたら、その月9のドラマを録画するHDDレコーダーは、ざっと600万台である。1TBのHDDを積んだりした600万台のHDDレコーダーが日本中で月曜日の9時にうぃーんと録画するわけである。なんだかとても非生産的なことをしている気がしませんか?それにいくらキーワード録画やインターネット録画が出来るとは言え、録画しないと絶対に見れないというのは決定的な欠点だ。私がブログを通じて勝手に尊敬している中嶋氏もブログのエントリー「アップルにして欲しい次の革命」で地デジにはっきりと反対している。

日本でも本格的な「地上波デジタル」へのシフトが始まっているが、これが大変な税金の無駄遣いだということをおおっぴらに指摘する人は少ない。光ファイバーがここまで普及した今、電波で映像を送るのは離島などの僻地だけにしておき、人口密集地域には光ファイバーで送るほうがはるかに経済的でサービスとしても良いものが提供できることは明白である。そんな時代に、莫大な税金を費やして日本中の中継アンテナを立て替えるほど馬鹿らしい話はない。

デジタル放送へのシフトが100%終わる2011年には、「面白い番組は光ファイバーを通したビデオ・オンデマンド・サービスでしか見られない」時代になっている可能性は十分に高い(それが証拠に、来年以降の主要なスポーツの放送権を買っているのは既存の放送局ではなく、ソフトバンクやインデックスといったインターネット・コンテンツ企業である)。その時になって、「あの地デジのために費やした税金はいったい何だったのか」と騒ぎ出してももう遅いのである。(Life is beautiful 「アップルにして欲しい次の革命」より)

この本、専門書としてさまざまな角度からの分析も面白いが一番面白かったのは、実は執筆陣による最後の章の座談会である。筆者の一人の林氏が梅田望夫さんに対談を申し込んだらあっさり断られたので、逆に興味を持って「ウェブ進化論」を読んでみたら、「もう私は年長者に説教するのはやめた」と書いてあるのを見つけて納得したところなど思わず笑ってしまった。

日記

停電

夏休みでニューヨークに出発してすぐに、向こうのホテルからこのサーバーにアクセス出来なくなったが、サーバーの様子は見れないのでさっぱり状況が分からない。(いろいろとトラブルがあったが、なんとか)日本に戻ってきて見てみると案の上電源が落ちていて、電源を入れると何事もなかったように動き出した。台風による停電が原因だろう。

ふと気づいたのだが、電気製品には一度停電したら電気が回復してもそのまま止まってしまうものと、また動き出すものの2種類がある。たとえば、ホームルーター、電話機、ビデオデッキなど常時動くのが前提のものは電気が回復すると自動的に電源が入る。しかしパソコンは一度電源が落ちてしまうと人間がスイッチを入れるまで動かない。これはパソコンが使うときだけ動かすものだと思われているからだろう。確かメインフレームなどは電源スイッチがないと聞いたことがある。

思わずUPSを買おうと思ったが、考えてみたら電源回復後に自動起動するパソコンでこと足りることに気づく。例えば、「Q&A-復電したときに、パソコンも自動的に起動したい。」のページによるとAWARD BIOSなら該当する機能があるようだ。今度チェックしてみよう。
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日記

夏休み

今、用賀あたりで渋滞に巻き込まれている成田行きのバスの中で書いてます。というのも今日からニューヨークに住んでいる弟に会いに行きたいという両親のツアコンとして、ニューヨークに行く為だ。何もこんな1年で一番高いときに行かなくてもと思うが父の仕事の都合でどうしようもないらしい。

しかし、旅行開始直後にしてすでに大変なことになりそうな雰囲気全開。朝、駅に行くと台風7号のおかげでどしゃぶりで、歩いて5分の道のりですでにずぶぬれ。しかも駅につくなり小降りになるというボーナス付き。憂鬱になりつつバスに乗り込んだら成田に前泊している両親から、成田に送ったはずのスーツケースが届いていないとの電話。

まったくどうなることやら。

ご飯

魚ひろ

大学院時代の知り合いにもう何年も会っていないので(とはいえブログは毎日チェックしてたりするわけですが)、久しぶりに飲みましょうと声をかけて久しぶりに呑むことに。場所は角川さんおすすめ「魚ひろ」。くわしくは、一緒に飲んださいとさんのブログにありますが、かなりおいしい魚を食べ、かなりおいしい日本酒を飲むことが出来ました。角川さんはかなり常連のようで、お酒がきれたら店員を呼んで、「すいません、お酒ください」と言うと毎回おすすめのお酒を持ってきてくれて、どれもおいしかったです。こんなに日本酒をたくさん飲んだのは4,5年ぶりでしょうか。

飲み会も研究室のメンバーの消息について話したり、学生時代と同じように理屈っぽいディスカッションをしたりで楽しいひとときでした。このお店、ちと遠いですがまた行ってみたいと思います。

日記

Googleで略語を調べるTips

みんなやってるのかも知れないけど、「最近話題の仮想ソフトのXenの資料を見てきたらよく出てくるHVMって何の略?」とおもったら、「”HVM stands for” Xen」でぐぐるといいです。ちなみに”stands for”は〜の略であるという意味なんで略語を調べるのに便利です。

ここで関連のXenというキーワードも入れるのがミソで、これがないとHVM=High Velocity Missileなどという間違った知識(正解はHardware Virtual Machine)をつけてしまうので気をつけましょう。世の中は広くてだいたいどの略語も別の略語があったりするもんです。

書評

実践Web2.0論 Web2.0を第二のネットバブルにしないための警告の書

実践Web2.0論 Web2.0を第二のネットバブルにしないための警告の書
この本は本屋で見つけ中身を見ずにそのままレジに。なぜかというと作者が川俣 晶さんだからだ。昔なにげなく読んだコラム「20年前の言葉」がかなり心に響いて今でもときどき思い出すぐらいインパクトがあったからだ。川俣さんは「短いプログラムは無条件で正しい。なぜなら、短いプログラムは短いというだけで実行速度も速く、理解も容易であるからだ」というトンデモ説を若い頃に見つけて、それから20年プログラマーとして働いてやはりこの説は正しいのではないかと書いている。私もこのコラムを読んで直感的に賛同した。ただ川俣さんがこのコラムで次のようにに書いているように証明出来ていないし実践することは出来ない。

短いプログラムは正しいという原則は、筆者が正しいように思えると感じているだけで証明されたわけでもないし、正しいということを保証できないことは、明確にしておく。

最後に1つだけ注意を述べよう。短いプログラムは正しいという原則は、ほとんどの職場では実践できない。なぜなら、プログラムの値段はステップ数や人月を基準に計算されることが多く、できるだけ大きなプログラムを作った方が売り上げがあがるからだ。それは、筆者が開発の現場から身を引いた理由の1つでもある。思いどおりにプログラムを書こうと思ったら、趣味でプログラムを書きながら技術解説屋をやるしかない、ということである。
川俣 晶 20年前の言葉より

さてこの本だが、前半部分のGoogleやAmzon、はてななどの解説はそれらのサービスを使っているような人には特に目新しいところはないかもしれない。しかししかし、6章以降のWeb1.0のバブルが何故にバブルだったのか、Web2.0の会社はどのようにあるべきか、現在成功しているWeb2.0の死角など、ありそうでない分析がエンジニアの視点から淡々と解かれており非常に充実したものであった。とても読みやすくさくっと1日で読めるのでとてもおすすめです。

日記

なぜ留守電やメールだと丁寧語になるのか?

タイトルそのまんまですが…。なんで普段は普通に話してる間柄なのに留守電やメールだと「ですます」の丁寧語になるんでしょうか?私の仮説は、メールや留守電は第三者が見たり聞いたりする可能性があるから、それに備えて敬語という説。どうでしょ?

日記

疲れたときは…

「コラテラル」という映画で、ジェイミーフォックス扮するタクシードライバーが「10分あったらバケーションにいつでもいける」と運転席のサンバイザーの裏に美しい南の島の写真を入れていた。疲れたときは綺麗な動画や写真を見ると少しリフレッシュします。次のYouTubeの動画は最近のお気に入りで、何度も見ています。Masatoさんのブログ「LegacyFree」で見つけました。

あと「まるでフィクションのような風景」もお勧め。次の中でも写真は一番お気に入りの写真です。このページははてなブックマークで見つけました。

また、たまには壁紙を変えてみましょう。InterfaceLIFTのページには高解像度の美しい壁紙がいろいろとあり無料でダウンロードできます。

さらにスクリーンセーバーも美しくしましょう。GooglePackに入っているGalleryPlayerを入れると自分のパソコンが美術館のようになります。無料で何枚か美しい画像が付属しており、さらに気に入った絵や写真を買うことも出来ます。ちょっとカタログを見てみましたが、お金を取るだけあってため息ものの美しさです。

PC

久しぶりの秋葉原

ことの始まりはCeleron Mだった。このsaitoudaitoku.comをホスティングしているサーバーはいろいろあって今はPentium4 3GHzという非常に電気を消費する、どちらかというとあまり地球に優しくないCPUだ。もちろんこれは一時的なもので、ちゃんと策がある。それはPentium4のマザーなのに省エネのPentiumMを装着できる怪しい変換パーツ(通称下駄)のCT-479の投入である。これにより一気に省電力のPentium Mに移行して電気代を大幅節約という算段だ。さてこの下駄、バスクロック533MHzもOKということなので、ここはPentium Mの廉価版のCeleron Mでバスクロックが533MHzのCeleron M 410 (1.46GHz)をチョイスしてCT-479と一緒に通販で注文。が、このCeleron M商品到着後使ってみようとしても初期不良なのかちっとも動かない。さて、ここまで読んで私が犯したミスに気づいた人はかなりマニアです。

実は、Celeron Mという名前から勝手にPentium Mの廉価版だと思っていたが、なんとそれは3xxのものだけで、バスクロック533MHzの4xxシリーズはなんとCore Duoの廉価版ということが判明。普通なら泣きながら通販で代わりのCPUを発注するところだが、久しぶりに秋葉原にお出かけ。もちろん、このまま間違えを認めず一気にCore DuoマザーとDDR2メモリー購入にひた走るという案もよぎったが、大人なので我慢。ラッキーにも1.2GHzのCeleron Mを見つけてゲット。5,000円もしませんでした、使えないCore Duo Celeron Mはヤフオクで売る予定。

で、満足して秋葉原をぶらついていると前から欲しかった黒くて10キーがなくて打ち心地のいいキーボードのRealforce 91Uを発見。店頭で試し打ちをしてみてあまりの打ち心地のよさに惚れて思わず購入。また散財してしまいました。

映画

「大停電の夜に」

大停電の夜に スペシャル・エディション (初回限定生産)
「ダニー・ザ・ドッグ」に続いて観たのが「大停電の夜に」だ。どこかで読んだのだが、数年前のニューヨークの大停電をインスパイアされて作ったとのこと。これも良かった。が、一つだけ注意事項。これを観る場合は必ず夜、それも遅めの時間に観ることをお薦めする。

舞台はクリスマス・イブの東京。何かの原因により突然、東京が大停電になる。そのクリスマス・イブに失恋した女がホテルの店員とエレベーターで二人きりになったり、久しぶりに出所して恋人に会いにいったら彼女が再婚してて、しかもその彼女が停電で止まった地下鉄の中で子供が生まれそうになって助けたり、自殺をしようとしている女性がたまたまそれを目撃した少年とめぐりあったり、長年連れ添った夫婦の妻が秘密を打ち明けたりと、その他もろもろのストーリーが10人ぐらいの個性的なキャラにより折り重なって行く。

そのなかでもひときわ光っているのは豊川悦司で、夢に破れたジャズバーのマスターの役。停電で店が開けられないところを、ひそかに豊川悦司に興味を持っていた向かいのローソク屋の女の子、田畑智子が自作のローソクを大量に使ってジャズバーが営業出来るようにしてあげる。そして、停電で真っ暗の東京の路地裏のジャズバーがローソクの灯りにより、ため息が出るくらい美しくライトアップされる。ああ、このシーン今まで観た映画の美しいシーンのベスト10に入ります。さらにその美しい映像にたたみかけるように流れるのが、有名なアルバム「Waltz for Debby」の1曲目の「My Foolish Heart」である。このシーン、絶対にお酒が飲みたくなります。

その客のいないジャズバーで、豊川悦司が過去の苦い恋愛を会ったばかりの、聞き上手な田畑智子についつい話していきつつ、このジャズバーが舞台となりつつ物語は進行する。それにしても感心するのは、男の私からしても魅力的な豊川悦司。やっぱこの男はすごい。

あとあと秀逸なのが、予告編だ。予告編といえばレンタル、セルDVDを問わず低ビットレートで2Ch音声、16:9の映像を上下を切って4:3の比率で入れたりした悲惨なものが普通だ。が、この予告編はいい。思わず映画館で予告編を観ている気分になる。関係者の皆様、他の映画でも出来るだけ予告編もちゃんと収録してください。

ともかく、ちょっとロマンチックな気分になりたいときにおすすめの映画です。たまには邦画もいいもんですよ。

映画

「ダニー・ザ・ドッグ」

ダニー・ザ・ドッグ DTSスペシャル・エディション (初回限定生産)
「ダニー・ザ・ドッグ」を観た。かなりよかったです。同じリュック・ベッソンの「レオン」を観て感動した人はこの映画も絶対に感動します。たしか、そんな感じのCMをおすぎかピーコがしていたのだが、結局観にいけなかった。

5歳のときから殺人マシーンとして育てられたトニー・レオンがモーガン・フリーマンに拾われて人間らしい生活を取り戻すというストーリーなのだが、このモーガン・フリーマンの演技がめちゃくちゃうまい。うますぎる。そういえば「ミリオン・ダラー・ベイビー」でもかなりしぶい演技をしていました。ともかくちょっと泣ける映画を観たくなったら、これおすすめです。

日記

コマネチ大学数学科第10講

木曜日の夜にフジテレビで「コマネチ大学数学科」という番組があるのだが、毎週1問数学の問題が出題されて、それをビートたけし、現役東大女子大生チーム、コマ大チームがそれぞれ回答する。ちなみに現役東大女子大生はなんというかコギャル風である。

この番組はいつも愛読している弾さんのブログでいつも放送後に解説が公開されているのでいつの間にかHDDレコーダーで記録して見始めている。ただし弾さん同様、CMは自動スキップである。ちなみに弾さんによるこの第10講の解説はこちら

さて、いつものように仕事が終わって帰宅して、ビールに続いて焼酎を飲みながら見た問題。今週の問題は、次の通り。

芯の直径4cm、全体の直径11cm、幅11.4cmのトイレットペーパー60mは何回巻きか?

ここで、暇な人は読むのをちょっと中断して自分でも考えてみましょう。

この問題を見て私が漠然と思った答えは、「直径がだんだん変わるから面倒なんだよなー。意外に直径の平均値=(4+11)/2=7.5cmとして計算してしまってもいいんじゃない?」

で、「もし平均の7.5cmで代表出来るとしたら、紙の厚みをxcmとすると直径11cmの外径と直径4cmの内径の1つ内側の周は、それぞれ(11-x)*πと(4+x)*πなので2つを足すと(11+4)*πで平均するとやはり7.5cmの直径の円周と同じになる。であれば1周づつ7.5cmの平均に向かって縮めていくと、外側、内側ともに紙の厚みだけ縮まっていくので、すべて直径7.5cmとしても何周かという計算に関しては同じである。直感的には円周の長さが半径の二乗ではなく一乗なのがポイント。で、

6000/3.14159/7.5=254.7

と買ったばっかのMacの電卓で計算してから続きを見る(実際には酩酊していて60m=60,000cmと間違えていた)。さすがに、もうひとひねりあるかと思いきやなんとこれが正解。現役女子東大生チームが感心していた竹内先生の台形の公式を使った正解より私の解の方が少しだけスマートだと思うのだが、どうでしょう?

書評

「Web2.0でビジネスが変わる」を読んで

Web2.0でビジネスが変わる
練習もかねてまだ慣れないMacでせっせと書いています。また新しいWeb2.0の新書が出たということでさっそく本屋でゲット。もちろん初版。そもそも私がこの本の存在を知るきっかけになった弾さんのブログのエントリー「Web2.0であなたが変わる」によるとこの本は、「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる」「グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する」に続く「三部作」のトリをつとめるのにふさわしい作品とのこと。筆者は本の中で次のように書いており、Web2.0によってビジネス、あるいは人間の行動がどのように変わるかについて書かれている。

だが、あなたが技術者でない限り、「あちら側」のシステムを支えるテクノロジーの話などを深く知る必要はない。昨今、パズワードを「解説」しようと、タイトルに「Web2.0」と冠した本が数多く出版されているが、その内容は技術やインターネットの閉じられた世界の話が多い。しかし、大事なのは技術そのものの進化ではなく、その進化が実際に人間の行動を変えることだ。だから、Web2.0の本質を知るためにはまず、「2.0的」といわれるサービスをとことん使い込んでみることをお薦めしたい。「Web2.0でビジネスが変わる」より

私が、この本を読んで最も「ほう!」と思ったのは、第2章の「マスメディアからCGMへ」である。以前、このブログのエントリー「テレビCMの広告モデルは大丈夫なのか?」に書いたように、HDDレコーダーによるCMスキップや、そもそもテレビCMに対する広告効果の疑問などを勝手に心配していたのだが、そのことがずばり書かれている。

マーケティング用語だと思うのだが、人が何か物を買うときのステップは、

Attention(ほう!)
Interest(へえ、なるほど!)
Desire(これ、いいかも!)
Memory(あれ、いいよなー)
Action(買っちゃえ!)

の「AIDMA」だそうだ(カッコの感嘆文は私のオリジナル)。が、ネットの発達した現在では、

Attention(ほう!)
Interest(へえ、なるほど!)
Search(ぐぐりまくり!)
Action(よさげだから買っちゃえ、ポチっとな)
Share(これ、いけてまっせー)

の「AISAS」に変わっているとのこと。しかも最後の「Share」は次の「Attention」を再起的に誘発する。これを読んで私は「ええ、変わってます、ばっちり変わってますとも!」と思わず賛同することしきり。少なくても同世代の私の周りの人でネットで調べずに高価なものを買う人は少ない。あんまりネットとか使ってなさそうな人でも意外と「価格.com」の口コミ情報を熟読していたりするもんだ。

そう考えると、とどのつまり資本主義経済の要は人間が金を使うことにあるので、この購入サイクルが変わるということは経済全体に大きなインパクトをもたらすのではないだろうか?だとするとビジネスとしての狙うべきポイントはずばり、この新しい購入サイクルに積極的に介入していって自社製品に有利に誘導することにあるのではないかと思う。Googleが目を付けたのはSearchからActionに結びつけることで、結びつける対価として企業から莫大なお金を受け取っている。この購入サイクルをじっと見つめていると新しいビジネスモデルが浮かんでくるのかもしれない。

あー、慣れないMacで書いたのでちょっと疲れました。ふぅー。

日記

Firefoxに完全移行しました

私は家と会社で計4台(+MacBook!)のパソコンを使っているが、いつも不満だったのがブックーマークがそれぞれのPCに別々に入っていることだった。「ブックマークなんてネットワーク上に保存しておいてどこからでも参照できるようになればいいのに!」などと、前から欲求不満な状態がもう10年ぐらい続いていた。

そんな私の心の琴線に触れたのが、Google Browser Syncである。こいつは、Firefoxのプラグインなのだが、なんとブックマーク、クッキー、ユーザーIDなどのブラウザーの情報をGoogleのサーバーに保存して複数のPCで同期できる優れものだ。Firefoxを起動するとまずGoogleのサーバーと同期して、しかも前回に開いていたページまでもう一度表示することすらできる。嗚呼、なんて素敵なんでしょう!

が、これには重大な問題がある。それは私はこよなくLunascapeというIEエンジン系のタブブラウザーを愛していることだ。が、それもこれもGoogle Browser Syncのために、泣く泣く別れることにした。

さて久しぶりに使ってみたFirefoxは、一段と描画が美しくなっておりほとんどIEと遜色なくなっている。しかも、微妙に軽快な気がする。うーん、IEももはや必須ではないのか。さっそくGoogle Browser Syncをインストールしてみる。このサービスを使うにはGoogleアカウントが必要である。起動時に数秒待たされるが、本当にシンクロします。会社のPCも家のPCもはたまたMacも同じブックマークが使えます。あと、多分Linuxも。

プライベートなメールはすべてGmailにしている私としては、これでWebとメールは完全にOSの種類と実際のパソコンに依存しなくなってしまった。どうもこのあたりがコンピューティング環境の大きな曲がり角のように思います。これから、いろいろと面白くなりそうです。

日記

Emacsでwell-formedなXML文書の編集

私の中でありそうでないもののひとつに「Emacsでwell-formedなXML文書の編集ができるマクロ」がある。が、嬉しいことにこれは今日、過去形になった。

ここ最近、仕事でせっせとXML文書の編集をしていたのだが、なんとEmacsでマクロなしでプレーンテキストとして編集していた。当然、最初は手動でインデントしていた文書も色々な人の手が加わり見るも無残な状態になっていた。これでは、まるで竹やりで戦車に向かっていくようなものである。もっとも、世の中にはPSGMLモードというものがあり、これでXML文書を編集できるわけだが、いかんせんDTDが必須だ。XML Schemaしかない場合などは困ってしまうし、そもそもスキーマのない文書もある。また、Eclipseを使う手もあるが、Emacs暦15年となりキーバインドが脳と直結している状態の私にはなかなかEmacsは手放せない。(Eclipse+Emacsキーバインドはちょっときびしい)

で、修行僧のようにプレーンテキストとして編集する日々を送っていたわけだが、あまりの生産性の低さにとうとう自分でLispを勉強して自作さえ考えていた。で、ぐぐりまくってやっとたどり着いたのが、epoxmlである。

すばらしい!ばっちりです。探し当てるのとセットアップに時間がかかってしまったが、何十倍ものリターンがあると思う。あえて言わせてもらうと、もっと早く出会いたかった。もしも、だれか「そんなに苦労しなくてもこういうのがあるよ」と知っててもショックなので言わないでください。あ、いや、やっぱり言って下さい。

PC

Macはじめました

今までMacと縁のない生活をしてきたのだがついに買いましたよ、Mac。ちなみに買ったのは最近出たインテルのCore Duo搭載のMacBookです。一番安い1.83GHzのやつなんですが、BTOでメモリを512MBから1Gにアップグレードすると1万円してどうしようかと悶々としてたら、Apple Storeから1万円のクーポンがきたので反射的に注文してしまいました。

「発送しました」メールが来てから到着するのに4日くらいかかったので、BTOは海外(おそらくアジア)なんでしょう。早速開けてみると、Appleらしい素敵な梱包です。まあ、詳しいレポートはPC Watchの本田雅一さんの記事13.3型ワイド液晶の「MacBook」ファーストインプレッションを参考にしてください。

さてさっそくMac初体験です。まず悩んだのが漢字変換のオン・オフ。これはスペースキーの右の「かな」キーでオン、左の「英数」キーでオフとなっていることを発見。トグルになっているWindowsに比べて現在のステータスを確認しなくても切り替えれるMacのほうがいいのかもしれません。

あとスライドパッドですが、これはやっぱりなじめません。仕方ないのでマウスを買いにいったらかっこいい純正マウスのMighty Mouseが欲しくなり、6,000円近いのに無理して買ってしまいました。いまどきコードレスでなく赤外線でこの値段は高いですが、ここで普通のマウスを買うとなんだかなぁと思い、また散財。使ってみたところ、なぜかポインターのスピードを最速にしないとWindowsと似ているフィーリングにならない。うーん、Macはクリエイターが使うからポインターがゆっくりなのか?などと悩みます。あ、キータッチは悪くないです。

さてMacといえば、普通はクリエイティブなことに使うイメージですが、他にもBSD系のUNIXがOSとして採用されており、買ったときからUNIXのシェルが使えることで有名です。早速ターミナルなるものを開いてみると、使い慣れたbashの画面が表れました。うーん、素敵。早速いろいろ遊ぼうということで、「MAC OS X HACKS」なる本を買ってきたので、またレポートします。あ、このエントリーはもちろんMacBookで書いています。

ホームシアター

意外にあたりだったMOVIE COWBOY

昔のエントリーPassion lives hereに書いたように、私のアパートのリビングに55インチのリアプロがあるのだが、家のファイルサーバーにある動画を見るためのプレイヤーとして、以前作ったリビングルームPC(その3)を使っている。

PCなので、DVDでもDivXでもWMVでも、はたまたネットサーフィンも可能なのだが、やはりソファーに座ってマウスやキーボードの操作は面倒だ。リモコンで電源も入らないし、場所もそれなりに占有する。そこで目をつけたのがMOVIE COWBOYという製品。

この製品は3.5インチのハードディスクを内蔵することが可能で、いわゆるNASとしてその中の動画や音楽を再生でき、コンポーネント出力や光デジタル音声出力もついていたりして、なかなか高機能だ。しかし最も私の琴線に触れたのはネットワーク機能である。この機能によりリモートのサーバー上にあるファイルを再生することが出来る。2万円弱と値段も手ごろなのでさっそく通販で買ってみた。

届くとさっそく分解してHDDを装着。中に動画を入れる方法だがUSB2.0でつないで転送する方法とNASとしてネットワーク経由で転送の2種類がある。ここは当然ネットワークといきたいところだが、ITmediaのレビュー理想に近づいた……かな!?──NAS機能が追加された「MOVIE COWBOY」を試すにあるように転送速度は書き込みで500KBと劇遅い。仕方ないのでUSBでPCをつないで内蔵のHDDに動画を転送すると確かに見れた。一応1080iで出力できるがあまり綺麗ではないので480Pにセット。どうせハイビジョンを再生するわけではないので解像度の変換はMOVIE COWBOYではなく、リアプロのエンジンにさせようというわけである。

さて次に試したのが、リモートのサーバーにあるファイルの再生。この機能の場合、ホームページには「動画の再生はMPEG-4のみとなります」とあるが、やってみるとDVD ISOも問題なく再生できる。うーん、「こりゃ内蔵HDDいらんわ」と思いHDDを外して使っております。静かだしいいのだが、その分値段下げて欲しいなー。内蔵のディスクを持たずリモートのファイルを再生するこいつもある意味、Thin Clientかななどと思う。

WMVを再生できないのが欠点かと思っていたら、買って3日後に新製品が発表される。が、ネットワークに対応していない。メーカーさん、ネットワークに機能をしぼってその分画質を改善した製品を出すと、アンチ・ホームシアターPCとしてヒットしまっせ。

エクスペリエンス

「ガイアの夜明け」を見て思ったユーザーのニーズの引き出し方

大好きな番組をひとつ挙げろと言われたら間違いなく即答するのが、火曜日の夜10時からテレビ東京で放送されている「ガイアの夜明け」だ。外れがほとんどなく毎週必ず面白い。あ、もしも有料化されたら毎週500円までなら出します。

今週は、「激突!巨大家具メーカー」で、これまた面白かった。セルフサービスを徹底することにより安くて質の高い家具とともに日本に乗り込んできたスウェーデンのイケア、今までの成功体験を捨てラインナップをしぼり世界に挑もうとするニトリ、すばらしい家具はお客様にきちんとすばらしさを納得してもらえれば高くても必ず買ってもらえると考える大塚家具などなど、それぞれの会社のビジネスに対する熱いパッションを家にいながら見れ全く大満足だ。

その中でも特に感銘を受けたのが年間3億円を売り上げる大塚家具のセールスマンだ。前のエントリー「ソファ」でも書いたように、私も大塚家具にソファを見に行ったことがある。で、欲しい色がなくてやめたが30万円もするソファを買おうとしたことがある。

普通の家具の店員は、客が欲しいといったものを単に見せるだけだ。が、大塚家具の店員は違う。大塚家具の店員はおそらく以下のステップを踏むように教育されている。(と思う)

1.客が欲しいといった家具を見せる(が、本当にその家具が満足なのか客もよくわかっていない)
2.実際に見たり触ったり座ったりさせて、「どうですか?この家具?」と全神経を集中して傾聴する
3.「この客はこう言っているが、本当はこっちの方が満足するのでは?」と分析して客にさりげなく新しいことを気づかせつつ、別の家具を見せる
4.満足するのが見つかるまで2、3を繰り返す

客が店に来るまでは自分でもはっきりしなかった欲しいイメージを一緒に絞り込んでいくわけだ。もっともこれは上から下まで在庫が豊富にある大塚家具だから出来るのだろう。私は営業職ではないが、多分これは営業の基本だと思う。ともかくストレートに「どんなものが欲しいか?」とユーザーに聞いても、それだけを用意すればいいわけではないということは最近実にいろいろな本やブログで目にする。

たとえば、CNET Japanのブログ中島聡・ネット時代のデジタルライフスタイルのエントリー「ユーザー指向のもの作りに関する一考察」では、以下のようにある。

そこには、自動車産業の父、Henry Fordの言葉「もし私がカスタマーに何が欲しいかと尋ねたら、彼らは『もっと早い馬が欲しい』と言っていたでしょう」が引用してあり、「カスタマー(顧客)の声を聞くことは大切だが、彼らに『何が欲しいか』を聞いても必ずしも答えは出て来ない。それよりも彼らの行動を良く観察し、どんなところで苦労しているか、彼らなりにどんな工夫をして今あるものを使いこなしているかを理解した上で、何を作るべきかを考えるべきだ」と結論付けている。

 ものすごく共感できる。この業界にいると、「ユーザーの声を聞くことは大切だ」というセリフは良く聞くが、それを頭から「ユーザーが欲しいと言っているものを作れば良い」と誤解している人たちが結構多いので困る。「中島聡・ネット時代のデジタルライフスタイル、ユーザー指向のもの作りに関する一考察より引用」

また私の好きな本ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たちの0章「メイド・イン・USA」にも次のようにある。

フォーカスグループに車をデザインさせるのは、短期的にしか成功しない。長期的にはよいデザインに賭けるほうが勝つ。フォーカスグループはその時流行りのうわべの装飾を欲しがるかも知れない。だが本当に欲しいのは、洗練された買い手の真似をすることだ。売春婦のヒモや薬物密売人だって、医者や弁護士がキャデラックからレクサスに替えたことにいずれ気が付いて、真似をし始めるだろう。

*(訳注)フォーカスグループとは製品のデザイン段階で、対象となるユーザー層からの意見をデザインに反映するために集められるユーザーのグループのこと。製品のコンセプトのプレゼンや試作品を基にユーザー同士でディスカッションを行う。「ハッカーと画家 0.メイド・イン・USAより引用」

どのビジネスも長期的な成功の秘訣はこのあたりにあるのだと思う。

日記

自分にも便利なGoogle Adsense

あさましく小銭を稼ごうとしているこのブログの右下にあるGoogle AdSenseだが、自分にも便利なことが分かった。自分のブログだけあって当然私が一番興味があることについて書かれているわけだが、その結果として、「私が一番興味があることについて最適な広告を表示→私に最適な広告」というなんとも当たり前のことに気づいた。皆さん、自分の好きなことについて書いてGoogleに自分に最適な広告を表示してもらいましょう!